これまでによせられた建築相談についてまとめたものを掲載します。どうぞご参考ください.


0.建築相談・依頼について

Q.相談をしたいのですがどうすればいいのでしょうか?

Aまずは、お気軽にお電話・メール等にて御連絡ください。ご要望等を伺い、仕事の進め方を御説明させて頂きます。(初回の費用は発生しませんのでお気軽に御相談下さい)。設計の進め方・設計料については、こちらのページをご参考ください。→PROCESS


1.土地について

Q.土地探しから相談にのってもらえますか?
A.土地により敷地内に建てられる規模や高さが決まってきます。土地には容積率や建蔽率と呼ばれるものが予め設定されているため、せっかく広い土地を購入してもその土地の一部分にしか建物が建てられないなんてこともあります。また、一般的に南側に道路がある土地が良いとされていますが、例え北側道路でも建築家に頼めばそれを逆手にとって良い建物をつくる事は可能です。土地の候補が幾つか決まった時点で、一度、事前相談のご連絡をください。土地を購入する前に、どのような建物が建つか簡単なプランを書くことも可能です。
また、人気のある駅近くの購入が難しい土地等についての探し方のアドバイスを行ったり、ご一緒に土地探しからご協力させていただきます。

Q.土地を探す時どのような注意が必要ですか?
A. 土地によっては地盤の良い土地と悪い土地があり、悪い土地は杭を打ったり地盤を改良したりと余分な費用がかかってしまいます(30〜80万円)。また土地によっては給排水の引き込みがされてなく引き込み工事費として別途に費用がかかります(70〜100万円)ので注意が必要です。後、がけ地になっていて何も補強がされていないため、別途に擁壁工事が必要な事があります(100〜300万円)。

Q.高低差の大きい土地ですが設計してもらえますか?
A.はい。高低差のある土地の場合、その段差を生かした設計をすることができます。地下があったり、高低差のある土地にハウスメーカーへ設計施工を依頼した場合、金額的がかなり高くなってしまいます。それは規格型を得意とするハウスメーカーにとって特殊な形の建物になってしまうと、どうしてもコストアップになってしまいます。しかし建築家に依頼する場合はその半額ぐらいの金額でできてしまいます。

Q.土地の地盤の強さについて調べたいのですが。
A.現在土地の地盤調査をする事が義務付けられています。一般的な木造住宅の場合はスウェーデン式サウンディング試験と呼ばれるものが一般的です。約4〜5万円でできます。コンクリート造の場合は、載荷試験や標準貫入試験と呼ばれる方法で行います。約20〜25万円かかります。



2.予算(費用)について


Qどのようにしてローコストを実現していますか?
A.一般的なハウスメーカーや地域の工務店と大きく違うところは、事前に詳細な図面を描くところです。詳細な図面を描く事で、柱1本からの詳細な見積書の作成が可能になります。つまり、これまで余分に見がちであった金額は、余計な無駄なものが除かれ、その建物に本当に必要な材料の金額となり、金額が下がります。また、見積書の項目を徹底的にチェックする事でも無駄が排除されます。そして、現場監理を行う事で建物の品質も確保され、スムーズな工事を可能にします。


Q.建物(工事費)以外にどのくらいかかりますか?

A.約30坪の建物を建てた時の費用です。ご参考ください。

建物登記関係
司法書士・土地家屋調査士手数料    約150,000円
印紙税                約15,000円
登録免許税(保存登記等)         約20,000円


ローン関係
融資・事務手数料            約30,000円
抵当権設定登記・司法書士手数料等   約100,000円
生命保険料・保証料等          約200,000円


その他
引越し・借家賃料           約500,000円
確認申請・完了検査費用         約30,000円
地鎮祭・上棟式諸費用         約150,000円
カーテン・購入家具等         約500,000円




3.融資について

Q.融資を受ける場合どのような方法がありますか?


A.融資を受ける方法は幾つかあるかと思われますが、その中で一般的なのは住宅金融公庫(現フラット35)によるものと銀行によるものです。住宅金融公庫で借りる場合は、住宅金融公庫の仕様に沿った建て方が必要です。銀行から借りる場合においても最近は審査が厳しいため、早めに予算についての見当が必要です。通常、融資額は全体にかかった費用の7〜8割で残りは自己資金となる場合が多いです。



4.依頼について


A.近所の工務店、住宅メーカー、建築家(設計事務所)それぞれの利点、欠点を以下にまとめました。

1.工務店
〇利点
設計を依頼する以前から相手を知っているため、気軽に頼みやすい。 近所の工務店に依頼する場合、直接そこの評判などを聞くことができる。
●欠点
具体的な希望に沿った設計をするのが難しい。実際には数枚の図面しか書かない事が多く、思っていたものと違うものができることがある。見積書もOO一式といった内容のものが多く、工事金額があいまいになる事が多く工事終了後に、思ってもいない金額を請求される事もある。設計料が安く感じることもあるが、確認申請図面等を他の事務所に外注することもあり、見えない所で設計料は工事費に含まれている事が多い。建築条件付き建物のフリープラン等で建てた場合、オプションの追加が多くなり結果的には高くなってしまう。

2.住宅メーカー
〇利点
実際にモデルハウス等に行って見ることができる。部材を量産化して建てるため、職人の技量に左右される事が少なく、一定の施工レベルで建てる事が可能。短期間で施工できる。
●欠点
安く建てられると思われがちだが、実際にはモデルハウスや宣伝広告費にかなりの費用が費やされるため、実際には高くなってしまう。また、規格品以外のものを頼むとオプションとして別途に費用をとられる。営業、設計、施工、メンテナンスと来るたびに担当者が変わるため話の食い違いが起こり、後からクレームを言いたくても誰に言って良いのか分からない事がある。

3.建築家(設計事務所)
〇利点
希望や要望が多かったり、狭小敷地やローコスト等厳しい条件であっても対応できる。圧倒的に図面を描く量が多く、設計の段階でどのような物が立つのかがわかりやすく、誤解が生じにくい。見積書を第3者的にチェックしたり、工事の段階になっても引き続き同じ担当者が、建て主の代理人となって管理して貰える。そのため、全体の工事費も実際には安くなる。
●欠点
建築家には個々のくせやデザインスタイルが強い事が多く、自分のスタイルと合う建築家(設計事務所)を見つける必要がある。建築家の数は少なく、自分のスタイルに会った事務所を見付けるのが困難です。建築家ががこれまでどのような作品を作ってきたかを必ず見せてもらいましょう。設計に時間を掛けるため、完成まで時間がかかる。



5.現場監理について

Q.具体的に現場監理はどのような事をするのですか?


A.藤井伸介建築設計室の主な現場監理についてその一部を説明します。

〇根切底の確認
-基礎工事を行うため、土を掘ります。実際に指定された深さまで掘られているか、また実際に想定していた地耐力(地盤の強さ)に達しているかを確認します。

〇砕石敷・転圧確認
-掘った後、砕石を敷き上からランマーという機械でたたくことにより、安定した地盤が確保されます。しかし実際には転圧されない事が多いため、その確認を行います。

〇配筋検査
-基礎の鉄筋が実際に指定していたものかを確認します。例えば鉄筋の径、間隔、補強等。

〇金物検査
-特に木造においては、木と木を結ぶ金物が重要になります。それら金物がすべて取り付けられているか確認します。

〇屋根・ルーフィング材の確認
-屋根を葺く前にアスファルトル-フィングと呼ばれる材料をひきます。その重なり具合や厚さについて確認します。

〇断熱材の確認
-断熱材にはいろんな種類がありますが、実際に図面で指定した種類、厚さのものが使われているかの確認。

〇施工図の確認
-あるレベル以上の工事業者であれば、設計図以外に施工図と呼ばれる工事をするための図面が提出されます。その図面で工事を行って問題及び不備がないか確認します。

上記に示したものはごく一部に過ぎません。更に詳しく知りたい方はご連絡ください。



6.地震対策、シックハウス、省エネ住宅(高気密・高断熱住宅)について

Q.どのような地震対策をしていますか?

A.いつも心がけている地震対策についてお答えします。

〇建築基準法で求められている基準
  現在、建築基準法での住宅における耐震性能は震度4〜5に耐えうる基準で設定されています。つまり、震度6以上の地震についての保証はないことになります。そのため、通常は基準法で定められている基準の1.5倍〜2倍に設定して設計します。しかし、コスト削減のため基準法の基準値ぎりぎりに設定して設計する業者も少ないとはいえません。いくらローコストと言えどもこの部分を削ってのローコストはあってはならないことです。

〇通し柱より通し壁
  2階建ての木造在来工法の場合、出隅の柱は通し柱にしなければならないという規準があります。もちろん、この事も重要ですが、地震の横揺れに関しては、どちらかというと柱よりも筋交いや合板の張られた壁が重要になってきます。そして、それらの壁が上下階で出来る限り同じ位置あり、かつそれらに適応する金物によって緊結されている事が最も重要になってきます。


Q.シックハウスについて教えてください。

A.最近では高気密住宅が主流になり、家が締め切られた状態で使われるようになりました。これは化学物質過敏症を引き起こしやすくなった大きな原因であると考えられます。ここでは住まいに関する関する化学物質で人体に影響を及ぼすものとその対策法を説明します。〇シロアリ駆除用殺虫剤(クロムデン、スミチオン)
床下にシロアリ対策として散布される殺虫剤にクロムデン等の有害物資が含まれます。クロムデンが全面使用禁止になるなど、今では有害な殺虫剤が使われる事はなくなりましたが、シロアリに強い木材の選択や風通しの良い床下を作る工法を採用する必要があると思われます。

〇塗料(トルエン、キシレン)
 塗料にはトルエンやキシレンと言う有害物質が含まれていて、新築後しばらくの間室内に放出されます。塗料に関しても最近では自然素材から出来ている塗料やトルエンやキシレンを含まないものも販売され始めました。

〇フローリング及び下地用合板
 合板フローリングや壁や床下地用のベニヤの接着材に最近よく耳にするホルムアルデヒドが含まれています。ホルムアルデヒドは揮発性の物質で室内が高温になると発生します。現在ではホルムアルデヒドの基準値が設けられホルムアルデヒドを多く含む物は減少してきましてが、ムクのフローリング等の自然素材を用いた家づくりが望まれます。
〇ビニルクロス張り用のり
ホルムアルデヒドが液体になったものが、ホルマリンでクロス張り用ののりに用いられます。ここでもノンホルマリンののりを用いたりする等の注意が必要です。

Q.高気密・高断熱住宅で設計できますか?


A.最近では「冬は暖かく、夏は涼しい」が歌い文句の高断熱、高気密住宅がスタンダードとなり、省エネ化のために気密住宅が推進されています。しかしそこには大きな危険があり、幾つかの注意が必要です。気密住宅とは気密シート等により住宅をすっぽり囲ってしまうものであり、密封された状態になります。つまり計画的に換気をしないと、上記に示したようなシックハウスになる恐れもありますし、室内で発生した結露が外部に抜けなくなり内部の木が腐る等の被害を被る可能性もあります。そこでお勧めするのが高断熱低気密住宅です。特に気密性を下げる必要はありませんが、断熱性能をしっかりと確保しておけば極端に気密性を高める必要はないと思います。矛盾しているように思われるかも知れませんが、ビニル性の服を着て生活するよりは、居心地の良い服を着て生活するほうが良いと思いませんか?